牛肉を生で食べると、美味しいですが食中毒にならないか、心配なことだと思います。
2011年焼肉チェーン店で大規模な食中毒を発生させてから、生で食べると危険だと、誤った情報が世間に広がってしまったことが原因の1つだと考えられます。
実は、牛はレバーや、内臓類を除いて無菌なのです。
「じゃあ、生で食べても大丈夫なの?」という人が居ると思いますが、肉は様々な精肉過程があります。
その過程で菌が付着してしまう事が食中毒の主な原因だと考えられます。
以上を踏まえて、生でも安全に牛肉を食べる方法を解説していきたいと思います。
目次
まず、牛肉を生で食べることは出来るの?
冒頭にも述べた通り、牛肉の中には寄生虫や、菌は存在しません。そのため、生で食べることが出来るのです。
じゃあ、なんでここまで生食に対して世間が厳しいのでしょうか。
大手焼肉チェーンが食中毒を出してしまったこともあるのですが、間違った情報が拡散されているからです。
あの事件では、古い肉をユッケ用として使っていた事だけではなかったのです。
「衛生状態の悪い環境で調理をしてしまっていた」ことや「表面の肉をそぎ落とさなかったこと」が、食中毒を起こした原因だと考えられます。
食中毒を防ぐ原則
fa-check-circle-o菌を持ち込まないー食肉を加工する場所では、滅菌処理した身体、服装で出入りをする
fa-check-circle-o菌を増やす状態の予防ー保管場所の整備や、常温、湿気が多い場所での保存
fa-check-circle-o加熱や、冷凍、乾燥処置ー適切なマニュアルで対処すること
の3つが言えると思います。これをしっかりと対策することで食中毒にならずに、無菌の生食肉を味わうことが出来ます。
これを考えていくと、肉の表面には菌がつきやすい状態になると考えられます。
そのため、生食のまま食べる際には必ずと言っていいほど表面の肉はそぎ落とす必要性もあります。
食中毒の種類、内容、対応策とは
牛肉を生で食べるのに必ず気を付けなければいけないことがあります。
それは「食中毒」になることです。目に見えれば、対策も出来ますが、目に見えないため、特に注意する必要がありますよね。
それぞれの種類をまとめていきます。
種類 | 内容 | 対応策 |
腸管出血性大腸菌(o-157) | 少ない菌でも、発症してしまいます!こちらは、発症してしまうと重症化しやすいのが特徴です。よく食中毒で死亡している記事をみかけますが、ほとんどは、この食中毒に感染している事が多いです。
ちなみに、某焼肉チェーンの食中毒の事件もこのO-157で死亡者が5名出るということになってしまいました。 |
75℃以上で1分間の加熱をすることで、菌を死滅させることが出来ます。 |
カンピロバクター | こちらも少ない菌で発症してしまうことが特徴です。飲食店では同じく、感染者が多いのが特徴です!
潜伏期間が長く、2日~7日後に発症する事があります。レバーや、鶏肉に感染源が多いとされてはいますが、牛肉を生で食べた場合でも発症するリスクは高いので注意が必要です! |
75℃以上で1分間の加熱をすることで、菌を死滅させることが出来ます。 |
サルモネラ属菌 | 乾燥には強く、少量の菌でも発症してしまうリスクが高く、増殖が早いため、注意が必要です。加工品など、ハンバーグや、卵、鶏肉などが感染源となります。 | こちらの菌に感染してしまうと中心部まで75℃以上で1分加熱することが必要となってきます。基本的に肉や魚などを調理した場合にまな板や包丁などを1回1回しっかり洗うことを心がけてください!
生食や、レア状態でステーキを楽しみたい方は感染には特にお気を付けください! |
ウェルシュ菌 | 動物の腸内には多く、自然界には多く生息している細菌になります。牛の内臓に生息している事が多いため、滅多に肉の部分では繁殖しない菌です。発症してしまうと、軽い腹痛や、水溶性の下痢に見舞われることがあります。 | 空気に触れる場所や、冷蔵庫での保管(10℃以下)を気を付けるようにしてください。 |
食中毒にならないように安全に生食肉を食べるためには
上記の食中毒の特徴と対策を見ていただいた通り、以下の事に気を付ければ肉を生食で食べることが可能になるということです。
表面を75℃以上で1分間加熱すること
菌を持ち込まない衛生的な環境で調理すること
調理した後には、すぐに冷蔵庫や、冷凍庫に入れて保管すること
を気を付けていれば、食中毒に心配することなく生食の肉を食べることが出来ます。
しかし、肉が腐っていた場合は食あたりを起こすので、そこはご了承ください。
以上の事を注意していれば「自家製ユッケ」や、「肉寿司」なども安全に食すことが出来るのです。
高級肉を扱っている店舗には生で食べられる環境があった!?
飲食店で今でも時々見ている「牛肉寿司」は表面のみ炙ってあり、中が生なもの。
表面を炙ってから、削いで提供している「生牛肉寿司」や「牛肉の刺身」などがあります。
今でも肉の高級店に行くと見かけると思います。
これは牛肉の表面を75℃で1分以上加熱後、周りを切り取る、「トリミング」を行っているため、自信をもって生食用として提供することが出来ているわけです。
免疫が弱い人は食中毒になりやすい
免疫が弱いといえば、「病弱な人」「お年寄り」「子供」が主な対象です。
これらの方には特に、食中毒にかかりやすく、かかってしまった場合、重症化しやすいという傾向があります。
重症化してしまうと、手足の麻痺、呼吸困難を併発してしまうおそれがあります。
そのため、食には特に注意を払って行くことが肝心なのでこれらの方には生食用がオススメできません。
それでも生肉で食べるのが怖いと思う方には
ショップなどで実は、ユッケなどの生肉が販売されています。
こちらは、かなり厳しい厚生労働省の規定を通った工場のみが生産することが可能になるので、安心して食べることが出来ます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ここまで見ていただいた方には「生肉の安全に食べられる理由」が分かっていただけたものと思います。
食中毒や、肉の腐敗には気を付けなければいけませんが、そこだけ気を付けていただければ美味しく安心して食べることが可能になっています。
また、サラダにしたりカルパッチョにしたり、刺身にしたりと色々な調理に使うことも可能です!一度試して見てください。